ドメイン全体のアクティビティを測定する

Google アナリティクスのクロスドメイン測定機能を使用すると、2 つの関連サイト(e コマースサイトと、それとは別のショッピング カートのサイトなど)でのセッションが個別の 2 回のセッションとしてではなく 1 回のセッションとしてアナリティクス レポートに記録されます。「サイト間のリンク」とも呼ばれるこの手法を活用することで、顧客の購入経路の全貌をより効果的に測定できます。

Google アナリティクスは、一意のクライアント ID を生成することで、ユーザーが新規ユーザーかリピーターかを判断します。クライアント ID が一致するヒットがすでに同じプロパティに送信されていれば、ユーザーはリピーターとして認識されます。

クロスドメイン測定は、ソースドメインとリンク先ドメインの間でクライアント ID を共有することによって機能します。クライアント ID はブラウザの Cookie に保存されるため、同じドメインのページからのみアクセスできます。複数のドメインを所有しており、それらを単一のプロパティとして扱いたい場合は、分析するすべてのドメインでクライアント ID を共有する方法が必要になります。

ドメイン間でのクライアント ID の共有には、次の 2 つの手順があります。

  1. ソースドメインに関しては、リンク先ドメインを参照するすべての URL に、ソースドメインのクライアント ID が含まれるように設定します。
  2. リンク先ドメインに関しては、ユーザーが URL を参照したときに、クライアント ID が含まれていることが確認できるように設定します。

gtag.js を使用したクロスドメイン測定では、この手順を、リンク先ドメインを参照する URL にリンカー パラメータを追加することで行っています。リンカー パラメータには、クライアント ID だけでなく、現在のタイムスタンプとその ID にエンコードされたブラウザのメタデータも含まれます(タイムスタンプとメタデータを使用するのは、URL 共有時に問題が発生しないようにするためです)。

次のリンカー パラメータの例をご覧ください。

_ga=1.199239214.1624002396.1440697407

リンク先ドメインで、linker パラメータの domains プロパティに値を設定すると、gtag.js によって URL のリンカー パラメータがチェックされます。有効なリンカー パラメータが見つかると、そのパラメータからクライアント ID が抽出され、保存されます。

gtag.js を使用したクロスドメイン測定を有効にすると、ページ上のリンクとフォームの URL にリンカー パラメータを自動または手動で追加できます。

ソースドメインで、リンク先ドメインを参照する URL に対して自動クロスドメイン測定を設定するには、プロパティの config で linker パラメータの domains プロパティを設定します。

設定して実行すると、gtag.js はリンク先ドメインを参照するリンクが選択されるのを待ち、ページへの移動が始まる直前にこれらのリンクにリンカー パラメータを自動的に追加します(リンカー パラメータは 2 分で期限切れになるため、ユーザーがリンクをクリックするのを待ってリンカー パラメータを追加する必要があります)。

サイト上にリンク先ドメインを参照するフォームがある場合は、linker パラメータの任意の decorate_forms プロパティを true に設定します。

たとえば、このコードでは、リンク先ドメインである 'example.com' を参照するページのすべてのリンクにリンカー パラメータが追加されます。

gtag('config', 'GA_MEASUREMENT_ID', {
  'linker': {
    'domains': ['example.com']
  }
});

リンカー パラメータを受け入れるサイトの設定

URL にリンカー パラメータが追加されているリンク先ドメインのページにユーザーがアクセスしたとき、このパラメータを探すように gtag.js に指示する必要があります。

リンク先ドメインにすでにリンカーが設定されている場合は、リンカー パラメータはデフォルトで受け入れられます。

リンク先ドメインがドメインを自動的にリンクするように設定されていない場合は、リンク先プロパティの config で linker パラメータの accept_incoming プロパティを true に設定することで、リンカー パラメータを検索するようリンク先ページに指示できます。

gtag('config', 'GA_MEASUREMENT_ID', {
  'linker': {
    'accept_incoming': true
  }
});

双方向のクロスドメイン測定

「一方向クロスドメイン測定」とは、あるドメインから別のドメインへのユーザーフローのみをトラッキングすることです。たとえば、ユーザーが example.com から example-pet-store.com に移動する場合などです。前述の手順は、このタイプのユーザーフローを前提としています。

ユーザーがどちらのドメインに最初にアクセスするかわからない場合は、どちらのドメインもソースまたはリンク先として機能するように構成された「双方向のクロスドメイン測定」を実装する必要があります。双方向のクロスドメイン測定を実装するには、両方のドメインで自動リンクを有効にし、リンカー パラメータを受け入れてドメインを自動的にリンクするように設定します。

example.com でプロパティの config を更新します。

gtag('config', 'GA_MEASUREMENT_ID', {
  'linker': {
    'domains': ['example-pet-store.com']
  }
});

example-pet-store.com で、プロパティの config を更新します。

gtag('config', 'GA_MEASUREMENT_ID', {
  'linker': {
    'domains': ['example.com']
  }
});

1 つのスニペットをすべてのドメインに使用する

双方向のクロスドメイン測定をさらに簡単にするために、追跡の対象となる可能性のあるすべてのドメインを、ドメインごとにプロパティの domains パラメータの linker プロパティにリストします。これにより、すべてのドメインで同じコードのスニペットを使用できます。

example.com でプロパティの config を更新します。

gtag('config', 'GA_MEASUREMENT_ID', {
  'linker': {
    'domains': ['example.com', 'example-pet-store.com']
  }
});

example-pet-store.com で、プロパティの config を更新します。

gtag('config', 'GA_MEASUREMENT_ID', {
  'linker': {
    'domains': ['example.com', 'example-pet-store.com']
  }
});