このドキュメントでは、Google アナリティクス Reporting API v4 の高度な機能について 説明します。API の詳細なリファレンスについては、リファレンス ガイドをご覧ください。
はじめに
シンプルなレポートを作成した後、 次の機能を使用して詳細レポートを作成できます。
ピボット
Google アナリティクス Reporting API v4 を使用すると、ピボット テーブルを生成できます。
ピボット テーブルを使用してリクエストを作成するには、ReportRequest の Pivot フィールドを定義します。ピボット オブジェクトには、ディメンションと指標の独自のセットがあります。また、オプションの startGroup
と maxGroupCount
を使用して、ピボット テーブルに含めるディメンションの数を指定できます。
リクエスト
以下の API 呼び出しでは、セッションが国別にリクエストされ、結果がブラウザ上でピボット表示されます。
POST https://analyticsreporting.googleapis.com/v4/reports:batchGet
{
"reportRequests":
[
{
"viewId": "XXXX",
"dateRanges":
[
{
"startDate": "2014-11-01",
"endDate": "2014-11-30"
}
],
"metrics":
[
{
"expression": "ga:sessions"
}
],
"dimensions":
[
{
"name": "ga:country"
}
],
"pivots":
[
{
"dimensions":
[
{
"name": "ga:browser"
}
],
"maxGroupCount": 3,
"startGroup": 3,
"metrics":
[
{
"expression": "ga:sessions"
}
]
}
]
}
]
}
レスポンス列ヘッダー
ピボット リクエストに対して返される report オブジェクト内の metricHeader
には、pivotHeaderEntries
フィールドがピボット ディメンション値の順序と対応する指標値を定義する pivotHeaders オブジェクトのリストが含まれます。次に例を示します。
"columnHeader": {
"dimensions": [
"ga:country"
],
"metricHeader": {
"metricHeaderEntries": [
{
"name": "ga:sessions",
"type": "INTEGER"
}
],
"pivotHeaders": [
{
"pivotHeaderEntries": [
{
"dimensionNames": [
"ga:browser"
],
"dimensionValues": [
"Internet Explorer"
],
"metric": {
"name": "ga:sessions",
"type": "INTEGER"
}
},
{
"dimensionNames": [
"ga:browser"
],
"dimensionValues": [
"Firefox"
],
"metric": {
"name": "ga:sessions",
"type": "INTEGER"
}
},
{
"dimensionNames": [
"ga:browser"
],
"dimensionValues": [
"Android Browser"
],
"metric": {
"name": "ga:sessions",
"type": "INTEGER"
}
}
],
"totalPivotGroupsCount": 7
}
]
}
},
レスポンスの行
reportData オブジェクトの各行は dateRangeValue オブジェクトの配列を定義します。各オブジェクトには一連の pivotValue オブジェクトが含まれます。値の順序は、レスポンス列ヘッダーのピボット ヘッダーにリストされている指標の順序に対応しています。
"rows": [
...
{
"dimensions": [
"United States"
],
"metrics": [
{
"pivotValues": [
{
"values": [
"21",
"18",
"1"
]
}
],
"values": [
"192"
]
}
]
}
],
元のリクエストでは maxGroupCount
が 3 であるため、レポートにはピボット値が 3 つしかありません。"totalPivotGroupsCount": 7
により、最大 7 つの値が存在する可能性があります。
ピボット テーブルの行の例
上記のレスポンスの例の場合、国 United States に関連付け られている行は、以下のピボット テーブルで表現されます。
国 | 合計 セッション |
Internet Explorer セッション |
FireFox セッション |
Android ブラウザの セッション |
---|---|---|---|---|
インド | 12 | 3 | 2 | 4 |
米国 | 全角 112 | 21 | 18 | 1 |
英国 | 35 | 12 | 2 | 0 |
コホート
コホートとは、共通の特性を持つユーザーのグループです。たとえば、ユーザー獲得日が同じユーザーはすべて同じコホートに属します。 コホート分析レポートでは、コホートの行動データを抽出し、分析できます。 コホート固有のディメンションと指標の一覧については、コホートとライフタイム バリュー(LTV)のディメンションと指標をご覧ください。
コホート リクエストを定義するには、name
、type
、dateRange
を使用してコホート オブジェクトを定義する必要があります。
POST https://analyticsreporting.googleapis.com/v4/reports:batchGet
{
"reportRequests":
[
{
"viewId": "XXXX",
"dimensions":
[
{
"name": "ga:cohort"
},
{
"name": "ga:cohortNthDay"
}
],
"metrics":
[
{
"expression": "ga:cohortActiveUsers"
},
{
"expression": "ga:cohortTotalUsers"
}
],
"cohortGroup":
{
"cohorts":
[
{
"name": "cohort 1",
"type": "FIRST_VISIT_DATE",
"dateRange":
{
"startDate": "2015-08-01",
"endDate": "2015-08-01"
}
},
{
"name": "cohort 2",
"type": "FIRST_VISIT_DATE",
"dateRange":
{
"startDate": "2015-07-01",
"endDate": "2015-07-01"
}
}
]
}
}
]
}
API Explorer で上記の例をご覧ください。
コホートの制限
コホート リクエストが有効であるためには、以下の制限を満たす必要があります。
- 「
ga:cohort
」ディメンションは、リクエストに 1 つ以上のコホート定義が含まれている場合にのみ組み込まれます。 - コホート名は固有でなければならない。
- リクエストのコホートの最大数は 12 である。
ga:cohortNthWeek
が定義されている場合、開始日は日曜日、終了日は土曜日にする必要があります。ga:cohortNthMonth
が定義されている場合、開始日は月の初日、終了日は月の最終日にする必要があります。ga:cohortNthDay
が定義されている場合、期間は 1 日でなければなりません。- 今日の日付を含むコホート リクエストは許可されない。
- コホート リクエストと非コホート リクエストは同じ
batchGet
リクエストに含めないでください。 - コホートの期間は、2015 年 2 月 1 日以降でなければならない。
ライフタイムバリュー(LTV)
ライフタイム バリュー レポートには、ユーザー獲得後の 90 日間に、ユーザーの 価値(収益)とエンゲージメント(アプリビュー、目標完了、セッション、およびセッション継続 時間)がどのように伸びるかが示されます。LTV 固有のディメンションと指標をご覧ください。
LTV リクエストは、lifetimeValue
フィールドが true
に設定されたコホートとして定義されます。次に例を示します。
POST https://analyticsreporting.googleapis.com/v4/reports:batchGet
{
"reportRequests":
[
{
"viewId": "XXXX",
"dimensions":
[
{
"name": "ga:cohort"
},
{
"name": "ga:cohortNthWeek"
}
],
"metrics":
[
{
"expression": "ga:cohortTotalUsersWithLifetimeCriteria"
},
{
"expression": "ga:cohortRevenuePerUser"
}
],
"cohortGroup":
{
"cohorts":
[
{
"name": "cohort 1",
"type": "FIRST_VISIT_DATE",
"dateRange":
{
"startDate": "2015-08-01",
"endDate": "2015-09-01"
}
},
{
"name": "cohort 2",
"type": "FIRST_VISIT_DATE",
"dateRange":
{
"startDate": "2015-07-01",
"endDate": "2015-08-01"
}
}
],
"lifetimeValue": true
}
}
]
}
API Explorer で上記の例をご覧ください。
コホートおよびライフタイム バリュー(LTV)のディメンションおよび指標
ディメンション
ディメンション名 | 定義 |
---|---|
ga:cohort |
ユーザーが属するコホートの名前。コホートの定義方法によっては、ユーザーは複数のコホートに属することができます。これは、ユーザーが複数のセグメントに属する方法と似ています。 |
ga:cohortNthDay |
コホート定義の日付を基準にした 0 ベースの日付オフセット。たとえば、初回訪問日が 2015-09-01 のコホートが定義されている場合、日付 2015-09-04 の ga:cohortNthDay は 3 になります。 |
ga:cohortNthMonth |
コホート定義の日付を基準にした 0 ベースの月オフセット。 |
ga:cohortNthWeek |
コホート定義の日付を基準にした 0 ベースの週オフセット。 |
ga:acquisitionTrafficChannel |
ユーザーを獲得したトラフィック チャネル。ユーザーの最初のセッションから抽出されます。トラフィック チャネルは、ユーザー獲得時にデフォルト チャネル グループ化ルールに基づいて(可能な場合は、ビューレベルで)計算されます。 |
ga:acquisitionSource |
ユーザーを獲得したソース。ユーザーの最初のセッションから抽出されます。 |
ga:acquisitionMedium |
ユーザーを獲得したメディア。ユーザーの最初のセッションから取得されます。 |
ga:acquisitionSourceMedium |
ga:userAcquisitionSource と ga:acquisitionMedium を合わせた値。 |
ga:acquisitionCampaign |
ユーザーを獲得したキャンペーン。ユーザーの最初のセッションから抽出されます。 |
指標
指標名 | 定義 |
---|---|
ga:cohortActiveUsers |
この指標は、ゼロベースのオフセット ディメンション(ga:cohortNthDay 、ga:cohortNthWeek 、または ga:cohortNthMonth )に関連しています。コホートの n 日/週/月に対応する期間にアクティブだったコホート内のユーザーの数を示します。たとえば、ga:cohortNthWeek = 1 の場合、第 2 週にアクティブだった(コホート内の)ユーザーの数です。リクエストに ga:cohortNthDay 、ga:cohortNthWeek 、ga:cohortNthMonth のいずれも含まれていない場合、この指標の値は ga:cohortTotalUsers と同じになります。 |
ga:cohortTotalUsers |
コホートに属しているユーザー数。コホートサイズとも呼ばれます。 |
ga:cohortAppviewsPerUser |
コホートのユーザーあたりのアプリビュー数。 |
ga:cohortGoalCompletionsPerUser |
コホートのユーザーあたりの目標完了数。 |
ga:cohortPageviewsPerUser |
コホートのユーザーあたりのページビュー数。 |
ga:cohortRetentionRate |
コホート保持率。 |
ga:cohortRevenuePerUser |
コホートのユーザーあたりの収益。 |
ga:cohortVisitDurationPerUser |
コホートのユーザーあたりのセッション継続時間。 |
ga:cohortSessionsPerUser |
コホートのユーザーあたりのセッション数。 |
ライフタイム バリュー(LTV)指標
指標名 | 定義 |
---|---|
ga:cohortTotalUsersWithLifetimeCriteria |
これは、ディメンションが ga:acquisitionTrafficChannel 、ga:acquisitionSource 、ga:acquisitionMedium 、または ga:acquisitionCampaign のリクエストのコンテキストで関連します。この指標は、現在のチャネル、ソース、メディア、またはキャンペーンを通じて獲得されたコホート内のユーザーの数を表します。たとえば ga:acquisitionTrafficChannel=Direct の場合、直接獲得されたコホート内のユーザー数を表します。上記のディメンションのいずれも存在しない場合、その値は ga:cohortTotalUsers (アプリビューのみ)になります。 |
ga:cohortAppviewsPerUserWithLifetimeCriteria |
コホートの獲得ディメンションのユーザーあたりのアプリビュー数(アプリビューのみ)。 |
ga:cohortGoalCompletionsPerUserWithLifetimeCriteria |
コホートの獲得ディメンションのユーザーあたりの目標完了数(アプリビューのみ)。 |
ga:cohortPageviewsPerUserWithLifetimeCriteria |
コホートの獲得ディメンションのユーザーあたりのページビュー数(アプリビューのみ)。 |
ga:cohortRevenuePerUserWithLifetimeCriteria |
コホートの獲得ディメンションのユーザーあたりの収益(アプリビューのみ)。 |
ga:cohortSessionsPerUserWithLifetimeCriteria |
コホートの獲得ディメンションのユーザーあたりのセッション継続時間(アプリビューのみ)。 |