交通機関に関するリアルタイムの最新情報をユーザーに提供することで、乗換案内サービスの利便性が大幅に高まります。ユーザーは、今現在の運行状況に基づく発着時刻の最新情報を参考にして、移動計画をよりスムーズに立てることができます。万一遅延が発生した場合でも、出かける時刻を遅らせるなどして対応できます。
GTFS リアルタイムは、公共交通機関が運行車両に関するリアルタイムの最新情報をデベロッパーに提供できるようにするためのフィードの仕様です。この仕様は、公共交通機関の時刻表とその地理的情報に使用されるオープンなデータ形式である GTFS(General Transit Feed Specification)の拡張版です。GTFS リアルタイムは、実装のしやすさ、GTFS との相互運用性、乗客情報の重視などを念頭において設計されています。
この仕様の策定は、当初のリアルタイムの運行情報の提携交通機関や多数の乗換案内デベロッパーと Google との間で協力して行われました。現在は、Apache 2.0 ライセンスの下で公開されています。
Google マップのリアルタイムの運行情報とは
リアルタイムの運行情報は、リアルタイムの交通情報を Google マップとモバイル Google マップのユーザーに提供するサービスです。これらの交通情報には、リアルタイムの出発および到着時刻や運行情報が含まれています。
リアルタイムの運行情報では、出発時刻と運行情報の 2 種類の更新情報をリアルタイムでユーザーに提供します。乗換案内パートナーのフィードには、これらの更新情報が表示されます。Google では、交通機関の静的な時刻表で幅広く使用されている GTFS 形式に対応する GTFS リアルタイムのフィード形式を作成しました。Google で定期的に取得できる場所にフィードを送信すると、フィードは直ちに処理されてリアルタイムの運行情報として更新されます。
利用方法
GTFS リアルタイムのフィードの概要
この仕様では現在、次のタイプの情報をサポートしています。
- ルート更新情報 - 遅延、中止、ルートの変更など
- 運行情報 - 停車地の変更や、駅、ルート、または路線網全体に関係する不測の事態
- 車両の現在地 - 現在地や渋滞の度合いなど、車両に関する情報
フィードで異なるタイプのエンティティを組み合わせることもできます(必須ではありません)。フィードの配信は HTTP 経由で行います。更新頻度は高いものとなります。ファイル自体は通常のバイナリ ファイルなので、どのタイプのウェブサーバーでもファイルのホストと配信が可能です(他の転送プロトコルも使用できます)。あるいは、ウェブ アプリケーション サーバーを使用した場合は、有効な HTTP GET
リクエストに対するレスポンスとしてフィードを返すこともできます。フィードを更新、取得する頻度についても、その具体的な方法についても、特に制約はありません。
GTFS リアルタイムは、運行車両の「今現在の」状態を表すことができます。したがって、フィードは定期的に(できれば車両位置自動特定システムから新しいデータが送信されたときは常に)更新される必要があります。
データ形式
GTFS リアルタイムのデータ交換形式はプロトコル バッファをベースとしています。
プロトコル バッファは、構造化データをシリアル化するための、言語とプラットフォームに中立なメカニズムです(XML のようですが、XML より小さく、高速で、シンプルです)。データ構造は gtfs-realtime.proto ファイルで定義されます。さらにこのファイルを基に、Java、C++、Python などの各種言語を使ってさまざまなデータ ストリームとの間で構造化データを簡単に読み書きするためのソースコードが生成されます。
データ構造
要素の階層と、各要素のタイプの定義は、gtfs-realtime.proto ファイルで指定します。
このテキスト ファイルを使って、必要なライブラリをお好みのプログラミング言語で生成します。これらのライブラリは、有効な GTFS リアルタイムのフィードを生成するために必要なクラスや関数を提供するものです。ライブラリを利用することで、フィードの作成が簡単になるだけでなく、有効なフィードだけを生成することができます。
参考情報
GTFS リアルタイムに関するディスカッションに参加してこの仕様に対する変更や追加を提案するには、GTFS リアルタイムのヘルプグループにご登録ください。
Google マップとリアルタイムの運行情報
リアルタイムの運行情報は、交通機関の運行状況をリアルタイムにユーザーに伝える Google マップの機能です。Google マップにリアルタイムの交通情報を提供することに興味をお持ちの公共交通機関の方は、Google 乗換案内パートナー ページをご覧ください。