はじめに

Ads Data Hub により、エンドユーザーのプライバシーを保護し、データ セキュリティに関する Google の高い基準を守りながら、特定のビジネス目標に沿ってカスタマイズされた分析を行うことが可能になります。自社データを Google の広告キャンペーンのイベント単位のデータを組み合わせることで、分析情報を取得し、広告効率の改善、データドリブンなビジネス目標の達成、キャンペーンの最適化の効果性の向上に役立てることができます。

Ads Data Hub で実行したクエリの結果は、ご自身がオーナーの Google Cloud プロジェクト(「利用者様の Google Cloud プロジェクト」)内にある BigQuery データセットに書き込まれます。ご自身の Google Cloud プロジェクトのデータを Google 側のデータと組み合わせれば、広告の効果の評価をはじめ、さまざまな用途に役立ちます。

Ads Data Hub では、Google が所有する Cloud プロジェクトからデータが送信される前にプライバシー チェックを施行し、データを集約することで、エンドユーザーのプライバシーが確保されます。

Ads Data Hub でのプライバシー チェックの詳細

Ads Data Hub の仕組み

Ads Data Hub では、Google が所有する Cloud プロジェクトからデータが読み取られ、集計キャンペーン データが利用者様の Cloud プロジェクトに書き込まれます。

  • 読み取り: Google が所有する Google Cloud プロジェクト。Google のさまざまな購入側プラットフォーム(ディスプレイ&ビデオ 360、Google 広告、キャンペーン マネージャー 360、YouTube など)で運用しているキャンペーンの広告データが格納されます。
    • 利用者様が明示的に権限を付与すれば、Ads Data Hub は利用者様の Google Cloud プロジェクトからデータを読み取ることができます。これにより Google のデータと自社データのリンクが可能になります。
  • 書き込み: 利用者様の Google Cloud プロジェクト。Ads Data Hub で実行したクエリの結果は、集約済みの Google キャンペーン データセットとしてエクスポートされ、利用者様の Google Cloud プロジェクトに保存されます。

Google が所有する Google Cloud プロジェクトと利用者様の Google Cloud プロジェクトを分離することで、エンドユーザーのデータと利用者様ご自身のデータの両方についてプライバシーが確保されています。Google 側の元データセットは、Ads Data Hub の利用者様からはアクセスできないようになっています。Ads Data Hub はデータ結合を行うために利用者様の Google Cloud プロジェクトにアクセスできますが、これは利用者様が許可した場合に限ります。

次の図は、Ads Data Hub を取り巻くエコシステムを示したものです。以下、図中の各要素について説明します。

BigQuery と Google の広告プラットフォームから成るエコシステムにおける Ads Data Hub の位置付けを示した画像。

Google の各広告プラットフォームで発生したイベントレベルの広告データが、Google 所有の Cloud プロジェクトに供給されます。データソースとして使用されるのは、利用者様が Ads Data Hub アカウントで承認された広告リンクです。

Ads Data Hub でのアカウントのリンク設定に関する詳細

Google 所有の Google Cloud プロジェクト

Google が所有および管理する Google Cloud プロジェクトで、Google のキャンペーン データが格納されています。このプロジェクト内のイベントデータは 13 か月間保持され、その後削除されます。

Ads Data Hub

本サービスです。Ads Data Hub では、UI または API を使って、集約済みの Google 広告データにアクセスするクエリを記述したり、アカウント設定を管理したりすることができます。ソフトウェアのダウンロードや、ローカルでのコードのインストールおよび実行は必要ありません。

Ads Data Hub の UI および API は、Google 所有の Google Cloud プロジェクトと利用者様の Google Cloud プロジェクトの間の仲介役として機能し、クエリ結果がプライバシー チェックを確実に通過するようにします。

利用者様の Google Cloud プロジェクト

Ads Data Hub で記述したクエリの結果は、利用者様の Google Cloud プロジェクト内にある BigQuery データセットに書き込まれます。Ads Data Hub で CRM のデータやオフライン データを扱う場合、そのデータもこのプロジェクトにアップロードします。

データをリンクする

Ads Data Hub は、イベントレベルのデータを一意のユーザー識別子に関連付けるように設定できます。エンドユーザーが広告と接触すると、この識別子が Google に送信されます。Google と行うセットアップ作業が完了していれば、Google 所有の Google Cloud プロジェクトのデータとご自身の Google Cloud プロジェクトのデータを結合するクエリを実行できます。

プロセスのどの段階でも、利用者様のデータそのものがご自身の Google Cloud プロジェクトから外に持ち出されることはありません。Google が処理するのは、利用者様が SQL クエリ内で明示的に指定されたデータのみです。データ結合はプライバシー重視で行われ、関連付けに使用する一意のユーザー識別子も自由にご指定いただけます。これにより、エンドユーザー データの安全性が確保されます。

Ads Data Hub でデータをリンクする方法の詳細