ユーザー エージェントの一般化

パブリッシャーまたはユーザーがプライバシー保護の強化を必要としている場合、Google はユーザー エージェント フィールドで提供される情報の量を減らすことがあります。情報を削減すると、このようなユーザー エージェント表現は一般化されているとみなされます。

一般化されたユーザー エージェント表現は、特定のブラウザやデバイスを他のブラウザやデバイスと区別する可能性のある情報を制限することで、プライバシー保護を強化します。

概要

入札リクエストには、ユーザー エージェント情報として User-Agent 文字列と UserAgent オブジェクト(Google プロトコルOpenRTB)の 2 つが含まれます。どちらのフィールドにも、リクエストのユーザー エージェントの HTTP ヘッダーによって提供される情報が含まれています。

一般化されていないユーザー エージェントには、ブラウザやオペレーティング システムのきめ細かいバージョンなど、一般化された形式で縮小された詳細なデータを含めることができます。

一般化には、ブラウザとデバイスタイプの検出に対して下位互換性があります。入札リクエストは、ユーザー エージェント フィールドが PrivacyTreatments フィールド(Google プロトコルOpenRTB)で一般化されているかどうかを示します。

一般化されたユーザー エージェント オブジェクト

一般化された UserAgent では、詳細なバージョンのコンポーネントをゼロに置き換えることで、すべての browser エントリと platformversion フィールドが、メジャー バージョンのみが含まれるように縮小されます。UserAgent オブジェクト内の他の情報は削除されません。

次の例では、UserAgent.browser の元のコンテンツと一般化された形式を比較します。

原文 brand: "Chrome" version: ["96", "0", "4664", "92"]

一般化 brand: "Chrome" version: ["96", "0", "0", "0"]

Google は、特にブラウザによって完全バージョンが凍結されている場合に、ブラウザとプラットフォームのバージョンを一般化するとは限りません。たとえば、UserAgent.browser の値 brand: "AppleWebKit" version: ["537", "36"] は変更されません。

UserAgent オブジェクトが一般化されている場合、入札リクエストの PrivacyTreatments オブジェクトに user_agent_data フィールドも含まれます。

Google のプロトコル BidRequest.privacy_treatments: { user_agent_data: USER_AGENT_DATA_COARSENED }

OpenRTB プロトコル BidRequest.ext.privacy_treatments: { user_agent_data: USER_AGENT_DATA_COARSENED }

一般化された User-Agent 文字列

一般化された User-Agent 文字列では、ブラウザとプラットフォームの識別子はメジャー バージョンのみに削減されます。たとえば、"Chrome/96.0.4664.92""​​Chrome/96.0.0.0" になります。フリーズされたバージョンのコンポーネント("AppleWebKit/537.36" など)は保持されます。これらの変更は、UserAgent オブジェクトについて説明した内容と同じです。

user-Agent 文字列に固有で、一部の詳細情報や非標準要素も削除される場合があります。たとえば、デバイスのビルドやファームウェア バージョン、特定のアプリ固有のデータ(文字列の末尾に頻繁に追加される)などが除去されることがあります。

次の例では、User-Agent 文字列の元の内容を一般化された形式と比較します。

原文 Mozilla/5.0 (Linux; Android 11; M2007J20CG Build/RKQ1.200826.002; wv) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Chrome/96.0.4664.92 Mobile Safari/537.36 [MyApp:CustomSignals:ABC123]

一般化 Mozilla/5.0 (Linux; Android 11; M2007J20CG; wv) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Chrome/96.0.0.0 Mobile Safari/537.36

User-Agent 文字列が一般化されている場合、入札リクエストの PrivacyTreatments オブジェクトに user_agent シグナルが含まれます。

Google のプロトコル BidRequest.privacy_treatments: { user_agent: USER_AGENT_COARSENED }

OpenRTB プロトコル BidRequest.ext.privacy_treatments: { user_agent: USER_AGENT_COARSENED }

Google では、同様のアプローチを使用して User-Agent 文字列と UserAgent オブジェクトを一般化しています。その結果、一般化された User-Agent 文字列と一般化された UserAgent オブジェクトには、同様の量の情報が含まれます。