情報ウィンドウを使用すると、マーカーをタップしたユーザーに情報を表示することができます。
情報ウィンドウは、デバイスの画面に平行になるように描画され、関連付けられているマーカーの上に中央揃えで示されます。デフォルトの情報ウィンドウでは、タイトルが太字で表示され、タイトルの下にスニペット テキストが表示されます。
情報ウィンドウの内容は、マーカーの title
プロパティと snippet
プロパティで定義されます。title
プロパティと snippet
プロパティの両方が空白または nil
の場合、マーカーをクリックしても情報ウィンドウは表示されません。
情報ウィンドウは一度に 1 つのみ表示されます。ユーザーが別のマーカーをタップすると、現在のウィンドウが非表示になり、新しい情報ウィンドウが開きます。ユーザーが現在情報ウィンドウが表示されているマーカーをクリックすると、その情報ウィンドウはいったん閉じますが、その後再度表示されます。
カスタム情報ウィンドウを作成して、テキストや画像を追加します。カスタム情報ウィンドウを使用すると、ポップアップの外観を完全に制御できます。
情報ウィンドウを追加する
次のスニペットは、情報ウィンドウのテキストのタイトルのみを含むシンプルなマーカーを作成します。
let position = CLLocationCoordinate2D(latitude: 51.5, longitude: -0.127) let london = GMSMarker(position: position) london.title = "London" london.map = mapView
CLLocationCoordinate2D position = CLLocationCoordinate2DMake(51.5, -0.127); GMSMarker *london = [GMSMarker markerWithPosition:position]; london.title = @"London"; london.map = mapView;
snippet
プロパティを使用すると、タイトルの下に小さいフォントで表示される追加のテキストを追加できます。情報ウィンドウの幅を超える文字列は、複数行に自動的に折り返されます。非常に長いメッセージは切り捨てられる場合があります。
london.title = "London" london.snippet = "Population: 8,174,100" london.map = mapView
london.title = @"London"; london.snippet = @"Population: 8,174,100"; london.map = mapView;
情報ウィンドウを表示または非表示にする
情報ウィンドウは、マーカーに対するユーザーのタッチイベントに応答するように設計されています。情報ウィンドウをプログラムで表示または非表示にするには、GMSMapView
の selectedMarker
プロパティを設定します。
selectedMarker
をマーカーの名前に設定して表示します。- 非表示にするには、
selectedMarker
をnil
に設定します。
london.title = "London" london.snippet = "Population: 8,174,100" london.map = mapView // Show marker mapView.selectedMarker = london // Hide marker mapView.selectedMarker = nil
london.title = @"London"; london.snippet = @"Population: 8,174,100"; london.map = mapView; // Show marker mapView.selectedMarker = london; // Hide marker mapView.selectedMarker = nil;
情報ウィンドウを自動更新するように設定する
情報ウィンドウが非表示になってから再度表示されるのを待たずに、変更時に新しいプロパティまたは情報ウィンドウのコンテンツをすぐに表示するには、マーカーの tracksInfoWindowChanges
を YES
または true
に設定します。デフォルトは NO
または false
です。
london.tracksInfoWindowChanges = true
london.tracksInfoWindowChanges = YES;
tracksInfoWindowChanges
プロパティを設定するタイミングを決めるには、パフォーマンスに関する考慮事項と、情報ウィンドウを自動的に再描画するメリットを比較検討する必要があります。次に例を示します。
- 一連の変更を行う場合は、プロパティを
YES
に変更してからNO
に戻すことができます。 - アニメーションの実行中やコンテンツが非同期で読み込まれている場合は、アクションが完了するまでプロパティを
YES
に設定しておく必要があります。
マーカーの iconView
プロパティを使用する場合は、考慮事項も参照してください。
情報ウィンドウの位置を変更する
情報ウィンドウは、関連付けられているマーカーを中心としてその真上に、デバイス画面の左右に広がるように描画されます。infoWindowAnchor
プロパティを設定すると、マーカーに対する情報ウィンドウの位置を変更できます。このプロパティは、CGPoint
を受け入れます。これは、x と y の両方が 0.0 ~ 1.0 の範囲にある(x,y)オフセットとして定義されます。デフォルトのオフセットは(0.5、0.0)です。つまり、中央上部です。infoWindowAnchor
オフセットを設定すると、情報ウィンドウをカスタム アイコンに合わせて配置できます。
london.infoWindowAnchor = CGPoint(x: 0.5, y: 0.5) london.icon = UIImage(named: "house") london.map = mapView
london.infoWindowAnchor = CGPointMake(0.5, 0.5); london.icon = [UIImage imageNamed:@"house"]; london.map = mapView;
情報ウィンドウのイベントの処理
情報ウィンドウでリッスンできるイベントは次のとおりです。
mapView:markerInfoWindow:
- マーカーが選択されようとしたときに呼び出されます。必要に応じて、マーカーに使用するカスタム情報ウィンドウをUIView
として返すことができます。詳しくは、以下のカスタム情報ウィンドウをご覧ください。mapView:markerInfoContents:
-mapView:markerInfoWindow
が nil を返すときに呼び出されます。mapView:didCloseInfoWindowOfMarker:
- マーカーの情報ウィンドウが閉じられたときに呼び出されます。mapView:didLongPressInfoWindowOfMarker:
- マーカーの情報ウィンドウが長押しされた後に呼び出されます。
イベントをリッスンするには、GMSMapViewDelegate
プロトコルを実装する必要があります。イベントのガイドと GMSMapViewDelegate
のメソッドのリストをご覧ください。
GitHub には、情報ウィンドウ イベントを処理する方法を示したサンプルが含まれています。
カスタム情報ウィンドウ
情報ウィンドウのコンテンツをカスタマイズするには、カスタム情報ウィンドウのレイアウトを定義する UIView
のサブクラスを作成します。そのサブクラスで、必要に応じてビューを定義します。たとえば、カスタム UILabel
インスタンスを使用してタイトルとスニペットのテキストを表示したり、UIImageView
インスタンスなどの他のビューを使用して情報ウィンドウに表示する画像を追加したりできます。
ViewController
が GMSIndoorDisplayDelegate
プロトコルを実装し、mapView:markerInfoWindow: イベントのリスナーを定義していることを確認します。このイベント リスナーは、マーカーが選択されようとしているときに呼び出されます。カスタム UIView
クラスのインスタンスを返して、マーカーで使用するカスタム情報ウィンドウを定義できます。
デフォルトの情報ウィンドウ、カスタマイズされたコンテンツを表示している情報ウィンドウ、フレームと背景がカスタマイズされている情報ウィンドウの画像を以下に示します。

Maps SDK for iOS に付属の GitHub のコードサンプルには、カスタム情報ウィンドウのサンプルが含まれています。たとえば、MarkerInfoWindowViewController.m (Objective-C)または MarkerInfoWindowViewController.swift(Swift)の定義をご覧ください。
これらのサンプルのダウンロードと実行については、コードサンプルをご覧ください。