マーカーは、マップ上の単一の場所を示します。
デフォルトでは、マーカーには Google マップで共通の統一感のある標準アイコンが使用されます。マーカーをカスタマイズする場合は、デフォルトのマーカーの色を変更したり、マーカーの画像をカスタム アイコンに置換したり、マーカーのその他のプロパティを変更したりできます。
マーカーのクリック イベントに応答して、情報ウィンドウを開くことができます。情報ウィンドウは、マーカーの上にダイアログ ウィンドウでテキストまたは画像を表示します。デフォルトの情報ウィンドウを使用してテキストを表示することも、独自のカスタム情報ウィンドウを作成してコンテンツを完全に制御することもできます。
マーカーを追加する
マーカーを追加するには、position
と title
を含む GMSMarker
オブジェクトを作成し、その map
を設定します。
次の例は、既存の GMSMapView
オブジェクトにマーカーを追加する方法を示しています。マーカーは 10,10
に作成され、クリックすると情報ウィンドウに「Hello world」という文字列が表示されます。
Swift
let position = CLLocationCoordinate2D(latitude: 10, longitude: 10) let marker = GMSMarker(position: position) marker.title = "Hello World" marker.map = mapView
Objective-C
CLLocationCoordinate2D position = CLLocationCoordinate2DMake(10, 10); GMSMarker *marker = [GMSMarker markerWithPosition:position]; marker.title = @"Hello World"; marker.map = mapView;
marker.appearAnimation
プロパティを次のように設定すると、新しいマーカーのマップへの追加をアニメーション表示できます。
kGMSMarkerAnimationPop
: 追加時にマーカーがgroundAnchor
からポップするようにします。kGMSMarkerAnimationFadeIn
: 追加時にマーカーがフェードインします。
マーカーの削除
マップからマーカーを削除するには、GMSMarker
の map
プロパティを nil
に設定します。または、GMSMapView
clear
メソッドを呼び出すと、現在マップ上にあるすべてのオーバーレイ(マーカーを含む)を除去できます。
Swift
let camera = GMSCameraPosition.camera( withLatitude: -33.8683, longitude: 151.2086, zoom: 6 ) let mapView = GMSMapView.map(withFrame: .zero, camera: camera) // ... mapView.clear()
Objective-C
GMSCameraPosition *camera = [GMSCameraPosition cameraWithLatitude:-33.8683 longitude:151.2086 zoom:6]; mapView = [GMSMapView mapWithFrame:CGRectZero camera:camera]; // ... [mapView clear];
マップに追加したマーカーを変更する場合は、GMSMarker
オブジェクトを保持しておきます。このオブジェクトを変更することで、後からマーカーを変更できます。
Swift
let position = CLLocationCoordinate2D(latitude: 10, longitude: 10) let marker = GMSMarker(position: position) marker.map = mapView // ... marker.map = nil
Objective-C
CLLocationCoordinate2D position = CLLocationCoordinate2DMake(10, 10); GMSMarker *marker = [GMSMarker markerWithPosition:position]; marker.map = mapView; // ... marker.map = nil;
マーカーの色を変更する
markerImageWithColor:
で色の付いたバージョンのデフォルト アイコンをリクエストし、結果の画像を GMSMarker
の icon プロパティに設定することで、デフォルトのマーカー画像の色をカスタマイズできます。
Swift
marker.icon = GMSMarker.markerImage(with: .black)
Objective-C
marker.icon = [GMSMarker markerImageWithColor:[UIColor blackColor]];
マーカー画像のカスタマイズ
デフォルトのマーカー画像を変更する場合は、マーカーの icon
または iconView
プロパティを使用してカスタム アイコンを設定できます。iconView
が設定されている場合、API は icon
プロパティを無視します。
マーカーの icon
プロパティを使用する
次のスニペットは、icon
プロパティの UIImage
として指定されたカスタム アイコンを持つマーカーを作成します。アイコンの中心は、イギリスのロンドンです。このスニペットは、アプリケーションに「house.png」という画像が含まれていると仮定しています。
Swift
let positionLondon = CLLocationCoordinate2D(latitude: 51.5, longitude: -0.127) let london = GMSMarker(position: positionLondon) london.title = "London" london.icon = UIImage(named: "house") london.map = mapView
Objective-C
CLLocationCoordinate2D positionLondon = CLLocationCoordinate2DMake(51.5, -0.127); GMSMarker *london = [GMSMarker markerWithPosition:positionLondon]; london.title = @"London"; london.icon = [UIImage imageNamed:@"house"]; london.map = mapView;
同じ画像で複数のマーカーを作成する場合は、各マーカーに同じ UIImage
インスタンスを使用します。これにより、大量のマーカーを表示する際のアプリケーションのパフォーマンスが改善されます。
この画像は、複数のフレームを持つことができます。また、alignmentRectInsets
プロパティも反映されます。これは、マーカーにシャドウなどの未使用領域がある場合に便利です。
マーカーの iconView
プロパティを使用する
次のスニペットは、マーカーの iconView
プロパティを設定することによりカスタム アイコンを持つマーカーを作成し、マーカーの色の変更をアニメーションさせます。このスニペットは、アプリに「house.png」という名前の画像が含まれていることを仮定しています。
Swift
import CoreLocation import GoogleMaps class MarkerViewController: UIViewController, GMSMapViewDelegate { var mapView: GMSMapView! var london: GMSMarker? var londonView: UIImageView? override func viewDidLoad() { super.viewDidLoad() let camera = GMSCameraPosition.camera( withLatitude: 51.5, longitude: -0.127, zoom: 14 ) let mapView = GMSMapView.map(withFrame: .zero, camera: camera) view = mapView mapView.delegate = self let house = UIImage(named: "House")!.withRenderingMode(.alwaysTemplate) let markerView = UIImageView(image: house) markerView.tintColor = .red londonView = markerView let position = CLLocationCoordinate2D(latitude: 51.5, longitude: -0.127) let marker = GMSMarker(position: position) marker.title = "London" marker.iconView = markerView marker.tracksViewChanges = true marker.map = mapView london = marker } func mapView(_ mapView: GMSMapView, idleAt position: GMSCameraPosition) { UIView.animate(withDuration: 5.0, animations: { () -> Void in self.londonView?.tintColor = .blue }, completion: {(finished) in // Stop tracking view changes to allow CPU to idle. self.london?.tracksViewChanges = false }) } }
Objective-C
@import CoreLocation; @import GoogleMaps; @interface MarkerViewController : UIViewController <GMSMapViewDelegate> @property (strong, nonatomic) GMSMapView *mapView; @end @implementation MarkerViewController { GMSMarker *_london; UIImageView *_londonView; } - (void)viewDidLoad { [super viewDidLoad]; GMSCameraPosition *camera = [GMSCameraPosition cameraWithLatitude:51.5 longitude:-0.127 zoom:14]; _mapView = [GMSMapView mapWithFrame:CGRectZero camera:camera]; self.view = _mapView; _mapView.delegate = self; UIImage *house = [UIImage imageNamed:@"House"]; house = [house imageWithRenderingMode:UIImageRenderingModeAlwaysTemplate]; _londonView = [[UIImageView alloc] initWithImage:house]; _londonView.tintColor = [UIColor redColor]; CLLocationCoordinate2D position = CLLocationCoordinate2DMake(51.5, -0.127); _london = [GMSMarker markerWithPosition:position]; _london.title = @"London"; _london.iconView = _londonView; _london.tracksViewChanges = YES; _london.map = self.mapView; } - (void)mapView:(GMSMapView *)mapView idleAtCameraPosition:(GMSCameraPosition *)position { [UIView animateWithDuration:5.0 animations:^{ self->_londonView.tintColor = [UIColor blueColor]; } completion:^(BOOL finished) { // Stop tracking view changes to allow CPU to idle. self->_london.tracksViewChanges = NO; }]; } @end
iconView
は UIView
を受け取るため、マーカーを定義する標準の UI コントロールの階層があり、各ビューには標準のアニメーション機能があります。任意の変換を適用するほか、マーカーのサイズ、色、アルファレベルの変更を含めることができます。iconView
プロパティは、frame
と center
を除く UIView
のすべてのアニメーション可能プロパティのアニメーションをサポートしています。
iconView
を使用する場合は、次の点に注意してください。
tracksViewChanges
がYES
に設定されている場合、UIView
が大量のリソースを必要とするため、バッテリーの使用量が増加する可能性があります。一方、単一のフレームのUIImage
は静的で、再レンダリングが不要です。- 一部のデバイスでは、画面上に多くのマーカーが存在し、各マーカーに独自の
UIView
があり、すべてのマーカーが同時に変更をトラッキングしている場合、マップのレンダリングに時間がかかります。 iconView
はビューのスナップショットであるため、ユーザー操作には応答しません。- ビューは、
clipsToBounds
の実際の値にかかわらず、clipsToBounds
がYES
に設定されているかのように動作します。境界の外で動作する変換を適用できますが、描画するオブジェクトはオブジェクトの境界内に存在する必要があります。すべての変換/変化は、監視および適用されます。つまり、サブビューはビューに含まれている必要があります。
tracksViewChanges
プロパティを設定するタイミングを判断するには、マーカーを自動的に再描画させるメリットとパフォーマンスに関する考慮事項を比較し、評価する必要があります。次に例を示します。
- 一連の変更を行う場合は、プロパティを
YES
に設定してからNO
に戻すことができます。 - アニメーションの実行中やコンテンツを非同期で読み込んでいる間は、そのアクションが完了するまでこのプロパティを
YES
に設定しておく必要があります。
マーカーの不透明度の変更
マーカーの不透明度は opacity
プロパティで制御できます。不透明度は 0.0 から 1.0 までの浮動小数で指定する必要があります。0 は完全に透明で、1 は完全に不透明です。
Swift
marker.opacity = 0.6
Objective-C
marker.opacity = 0.6;
GMSMarkerLayer
を使用して、Core Animation でマーカーの不透明度をアニメーション化できます。
マーカーのフラット化
マーカー アイコンは通常、マップの表面に対してではなく、デバイスの画面に対する向きで描画されます。そのため、マップを回転、チルト、ズームしても、必ずしもマーカーの向きは変わりません。
地表を基準としてフラットになるようにマーカーを設定することができます。地図を回すとフラット マーカーが回転し、地図を傾けると視点が変わります。通常のマーカーと同様に、マップがズームインまたはズームアウトされても、フラット マーカーのサイズは変わりません。
マーカーの向きを変えるには、マーカーの flat
プロパティを YES
または true
に設定します。
Swift
let positionLondon = CLLocationCoordinate2D(latitude: 51.5, longitude: -0.127) let londonMarker = GMSMarker(position: positionLondon) londonMarker.isFlat = true londonMarker.map = mapView
Objective-C
CLLocationCoordinate2D positionLondon = CLLocationCoordinate2DMake(51.5, -0.127); GMSMarker *londonMarker = [GMSMarker markerWithPosition:positionLondon]; londonMarker.flat = YES; londonMarker.map = mapView;
マーカーの回転
rotation
プロパティを設定して、マーカーをそのアンカー ポイントを中心に回転できます。回転は CLLocationDegrees
型で指定し、デフォルト位置を基準とした時計回りの度数で示します。マップ上のマーカーがフラットな場合、デフォルト位置は北です。
次の例では、マーカーが 90° 回転します。groundAnchor
プロパティを 0.5,0.5
に設定すると、マーカーは基部ではなく中心を軸にして回転します。
Swift
let degrees = 90.0 londonMarker.groundAnchor = CGPoint(x: 0.5, y: 0.5) londonMarker.rotation = degrees londonMarker.map = mapView
Objective-C
CLLocationDegrees degrees = 90; londonMarker.groundAnchor = CGPointMake(0.5, 0.5); londonMarker.rotation = degrees; londonMarker.map = mapView;
マーカー上のイベントの処理
マップで発生するイベントは、リッスンすることができます。イベントは、たとえばユーザーがマーカーをタップすることなどで発生します。イベントをリッスンするには、GMSMapViewDelegate
プロトコルを実装する必要があります。特定のマーカー イベントを処理する方法については、マーカー イベントとジェスチャーをご覧ください。イベントガイドには、GMSMapViewDelegate のメソッドのリストも記載されています。ストリートビューのイベントについては、GMSPanoramaViewDelegate
をご覧ください。