インタースティシャル広告は、ホストアプリのインターフェース上に全画面表示される広告です。通常は、ゲームレベルをクリアした後の合間など、アプリの操作中に画面が切り替わるタイミングで表示されます。アプリにインタースティシャル広告が表示されると、ユーザーは広告をタップしてリンク先 URL に移動するか、広告を閉じてアプリに戻るかを選択することになります。
このガイドでは、インタースティシャル広告を Unity アプリに組み込む方法について説明します。
前提条件
- スタートガイドの手順を完了していること。
常にテスト広告でテストする
次のサンプルコードには、テスト広告のリクエストに使用できる広告ユニット ID が含まれています。この ID は、どのリクエストに対しても実際の広告ではなくテスト広告を返すように設定されており、安全に使用できます。
ただし、アド マネージャーのウェブ インターフェースでアプリを登録し、アプリで使用する独自の広告ユニット ID を作成した後は、開発中に使用するデバイスを明示的にテストデバイスとして設定する必要があります。
/21775744923/example/interstitial
Mobile Ads SDK を初期化する
広告を読み込む前に MobileAds.Initialize()
を呼び出して、アプリで Mobile Ads SDK を初期化します。この処理は 1 回だけ行います(アプリの起動時に行うのが理想的です)。
using GoogleMobileAds;
using GoogleMobileAds.Api;
public class GoogleMobileAdsDemoScript : MonoBehaviour
{
public void Start()
{
// Initialize the Google Mobile Ads SDK.
MobileAds.Initialize((InitializationStatus initStatus) =>
{
// This callback is called once the MobileAds SDK is initialized.
});
}
}
メディエーションを使用している場合、すべてのメディエーション アダプタを確実に初期化できるよう、広告の読み込みはコールバックが発生してから行います。
実装
インタースティシャル広告を組み込む主な手順は、以下のとおりです。
- インタースティシャル広告を読み込む
- インタースティシャル広告を表示する
- インタースティシャル広告のイベントをリッスンする
- インタースティシャル広告をクリーンアップする
- 次のインタースティシャル広告をプリロードする
インタースティシャル広告を読み込む
インタースティシャル広告の読み込みは、InterstitialAd
クラスで静的 Load()
メソッドを使用して行います。読み込みメソッドには、広告ユニット ID、AdManagerAdRequest
オブジェクトのほか、広告の読み込みの成功時または失敗時に呼び出される完了ハンドラが必要です。読み込まれた AdManagerInterstitialAd
オブジェクトは、完了ハンドラのパラメータとして提供されます。以下の例は、AdManagerInterstitialAd
を読み込む方法を示しています。
// This ad unit is configured to always serve test ads.
private string _adUnitId = "/21775744923/example/interstitial";
private InterstitialAd _interstitialAd;
/// <summary>
/// Loads the interstitial ad.
/// </summary>
public void LoadInterstitialAd()
{
// Clean up the old ad before loading a new one.
if (_interstitialAd != null)
{
_interstitialAd.Destroy();
_interstitialAd = null;
}
Debug.Log("Loading the interstitial ad.");
// create our request used to load the ad.
var adRequest = new AdManagerAdRequest();
// send the request to load the ad.
AdManagerInterstitialAd.Load(_adUnitId, adRequest,
(InterstitialAd ad, LoadAdError error) =>
{
// if error is not null, the load request failed.
if (error != null || ad == null)
{
Debug.LogError("interstitial ad failed to load an ad " +
"with error : " + error);
return;
}
Debug.Log("Interstitial ad loaded with response : "
+ ad.GetResponseInfo());
_interstitialAd = ad;
});
}
インタースティシャル広告を表示する
読み込んだインタースティシャル広告を表示するには、AdManagerInterstitialAd
のインスタンスで Show()
メソッドを呼び出します。読み込んだ広告は 1 回だけ表示できます。広告を表示する準備ができていることを確認するには、CanShowAd()
メソッドを使用します。
/// <summary>
/// Shows the interstitial ad.
/// </summary>
public void ShowInterstitialAd()
{
if (_interstitialAd != null && _interstitialAd.CanShowAd())
{
Debug.Log("Showing interstitial ad.");
_interstitialAd.Show();
}
else
{
Debug.LogError("Interstitial ad is not ready yet.");
}
}
インタースティシャル広告のイベントをリッスンする
広告の動作をより細かくカスタマイズするには、広告のライフサイクルで生じるさまざまなイベントを利用します。以下に示すように、デリゲートを登録して、これらのイベントをリッスンします。
private void RegisterEventHandlers(InterstitialAd interstitialAd)
{
// Raised when the ad is estimated to have earned money.
interstitialAd.OnAdPaid += (AdValue adValue) =>
{
Debug.Log(String.Format("Interstitial ad paid {0} {1}.",
adValue.Value,
adValue.CurrencyCode));
};
// Raised when an impression is recorded for an ad.
interstitialAd.OnAdImpressionRecorded += () =>
{
Debug.Log("Interstitial ad recorded an impression.");
};
// Raised when a click is recorded for an ad.
interstitialAd.OnAdClicked += () =>
{
Debug.Log("Interstitial ad was clicked.");
};
// Raised when an ad opened full screen content.
interstitialAd.OnAdFullScreenContentOpened += () =>
{
Debug.Log("Interstitial ad full screen content opened.");
};
// Raised when the ad closed full screen content.
interstitialAd.OnAdFullScreenContentClosed += () =>
{
Debug.Log("Interstitial ad full screen content closed.");
};
// Raised when the ad failed to open full screen content.
interstitialAd.OnAdFullScreenContentFailed += (AdError error) =>
{
Debug.LogError("Interstitial ad failed to open full screen content " +
"with error : " + error);
};
}
インタースティシャル広告をクリーンアップする
使い終わった AdManagerInterstitialAd
への参照を破棄する前に、必ず Destroy()
メソッドを呼び出してください。
_interstitialAd.Destroy();
これによって、そのオブジェクトはもう使用されておらず、オブジェクトが占有していたメモリを回収しても問題ないことを、プラグインに通知できます。このメソッドを呼び出さないとメモリリークが発生します。
次のインタースティシャル広告をプリロードする
インタースティシャル広告は使い捨てオブジェクトです。一度インタースティシャル広告を表示した後、同じオブジェクトを再度使うことはできません。別のインタースティシャル広告をリクエストするには、新しい AdManagerInterstitialAd
オブジェクトを作成します。
次のインプレッションの機会に備えてインタースティシャル広告を用意するには、広告イベント OnAdFullScreenContentClosed
または OnAdFullScreenContentFailed
が発生した時点でインタースティシャル広告をプリロードするようにします。
private void RegisterReloadHandler(InterstitialAd interstitialAd)
{
// Raised when the ad closed full screen content.
interstitialAd.OnAdFullScreenContentClosed += ()
{
Debug.Log("Interstitial Ad full screen content closed.");
// Reload the ad so that we can show another as soon as possible.
LoadInterstitialAd();
};
// Raised when the ad failed to open full screen content.
interstitialAd.OnAdFullScreenContentFailed += (AdError error) =>
{
Debug.LogError("Interstitial ad failed to open full screen content " +
"with error : " + error);
// Reload the ad so that we can show another as soon as possible.
LoadInterstitialAd();
};
}
アプリ内イベント
アプリ内イベントを利用することで、アプリのコードにメッセージを送信する広告を作成できます。アプリは、送信されたメッセージに基づいて処理を行います。
アド マネージャー専用のアプリ内イベントをリッスンするには、AppEvent
を使用します。これらのイベントは、広告ライフサイクルのあらゆるタイミングで(load が呼び出される前でも)発生する可能性があります。
namespace GoogleMobileAds.Api.AdManager;
/// The App event message sent from the ad.
public class AppEvent
{
// Name of the app event.
string Name;
// Argument passed from the app event.
string Value;
}
OnAppEventReceived
は、広告でアプリ内イベントが発生したときに発生します。コードでこのイベントを処理する方法の例を次に示します。
_interstitialAd.OnAppEventReceived += (AppEvent args) =>
{
Debug.Log($"Received app event from the ad: {args.Name}, {args.Value}.");
};
色名を含むアプリ内イベントに応じてアプリの背景色を変更する方法について、次に例を示します。
_interstitialAd.OnAppEventReceived += (AppEvent args) =>
{
if (args.Name == "color")
{
Color color;
if (ColorUtility.TryParseColor(arg.Value, out color))
{
gameObject.GetComponent<Renderer>().material.color = color;
}
}
};
また、対応するクリエイティブは次のとおりです。これは、色に関するアプリ内イベントを送信します。
<html>
<head>
<script src="//www.gstatic.com/afma/api/v1/google_mobile_app_ads.js"></script>
<script>
document.addEventListener("DOMContentLoaded", function() {
// Send a color=green event when ad loads.
admob.events.dispatchAppEvent("color", "green");
document.getElementById("ad").addEventListener("click", function() {
// Send a color=blue event when ad is clicked.
admob.events.dispatchAppEvent("color", "blue");
});
});
</script>
<style>
#ad {
width: 320px;
height: 50px;
top: 0px;
left: 0px;
font-size: 24pt;
font-weight: bold;
position: absolute;
background: black;
color: white;
text-align: center;
}
</style>
</head>
<body>
<div id="ad">Carpe diem!</div>
</body>
</html>
ベスト プラクティス
- インタースティシャル広告が自分のアプリに適しているかどうかをよく見極めましょう。
- インタースティシャル広告は、自然な移行ポイント(画面の切り替わりなど)があるアプリに適しています。 画像の共有やゲームレベルのクリアなど、アプリ内で特定のタスクが完了したタイミングがこうした移行ポイントになります。アプリのフローのどの時点でインタースティシャル広告を表示するのが最適か、ユーザーがそれにどう反応しそうかをよく検討してください。
- インタースティシャル広告を表示する際にはアクションを一時停止します。
- インタースティシャル広告には、テキスト、画像、動画など、さまざまな種類があります。アプリにインタースティシャル広告を表示する際は、アプリで一部のリソースの使用を停止して、広告でそのリソースを利用できるようにすることが重要です。たとえば、インタースティシャル広告を呼び出して表示する際は、アプリの音声出力を一時停止します。音声出力はイベント
OnAdFullScreenContentClosed()
で再開できます。このイベントは、ユーザーが広告に対する操作を完了すると呼び出されます。また、広告の表示中は、計算の集中処理(ゲームループなど)を一時的に停止することをご検討ください。こうすることで、グラフィックの読み込みが遅れたり、反応が停止したり、動画が途切れたりしなくなります。 - 過度に広告を表示しないよう注意しましょう。
- インタースティシャル広告の表示頻度を上げることは、収益を増やすうえでは魅力的に思えるかもしれませんが、ユーザー エクスペリエンスの悪化やクリック率低下を招くおそれもあります。ユーザーがアプリを楽しめなくなるほど頻繁に広告を挟むことは避けましょう。
参考情報
- HelloWorld の例: すべての広告フォーマットの最小限の実装