インプレッション単位の広告収益

インプレッションが発生すると、Google Mobile Ads SDK は関連する収益データを含む有料イベント ハンドラを呼び出します。このハンドラを実装すると、データを使用してユーザーのライフタイム バリュー（LTV）を計算したり、データをダウンストリームの他の関連システムに転送したりできます。

このガイドでは、iOS アプリでの LTV データ キャプチャの実装について説明します。

前提条件

有料イベント ハンドラを実装する

各広告フォーマットには、GADPaidEventHandler 型の paidEventHandler プロパティがあります。 Google Mobile Ads SDK は広告イベントのライフサイクル全体でインプレッション イベントを監視しており、インプレッションが発生すると、得られた収益の値とともにハンドラを呼び出します。

次の例では、リワード広告の有料イベントを処理します。

Swift

rewardedAd?.paidEventHandler = { adValue in
  // TODO: Send the impression-level ad revenue information to your preferred
  // analytics server directly within this callback.

  // Extract the impression-level ad revenue data.
  let value = adValue.value
  let currencyCode = adValue.currencyCode
  let precision = adValue.precision

  print(
    "Ad paid event. Value: \(value) \(currencyCode), with precision: \(precision)."
  )
}
ImpressionLevelAdRevenueSnippets.swift

Objective-C

rewardedAd.paidEventHandler = ^(GADAdValue *_Nonnull adValue) {
  // TODO: Send the impression-level ad revenue information to your preferred
  // analytics server directly within this callback.

  // Extract the impression-level ad revenue data.
  NSDecimalNumber *value = adValue.value;
  NSString *currencyCode = adValue.currencyCode;
  GADAdValuePrecision precision = adValue.precision;

  NSLog(@"Ad paid event. Value: %@ %@, with precision: %ld.", value, currencyCode,
        (long)precision);
};
ImpressionLevelAdRevenueSnippets.m

カスタム イベントの広告ソース名を特定する

カスタム イベントの広告ソースの場合、adSourceName プロパティは広告ソース名 Custom event を返します。複数のカスタム イベントを使用している場合、広告ソース名では複数のカスタム イベントを区別できません。特定のカスタム イベントを見つけるには、次の手順を行います。

  1. adNetworkClassName プロパティを取得します。
  2. 一意の広告ソース名を設定します。

次の例では、カスタム イベントに一意の広告ソース名を設定しています。

Swift

func uniqueAdSourceName(for loadedAdNetworkResponseInfo: AdNetworkResponseInfo) -> String {
  var adSourceName: String = loadedAdNetworkResponseInfo.adSourceName ?? ""
  if adSourceName == "Custom Event" {
    if loadedAdNetworkResponseInfo.adNetworkClassName
      == "MediationExample.SampleCustomEventSwift"
    {
      adSourceName = "Sample Ad Network (Custom Event)"
    }
  }
  return adSourceName
}
ResponseInfoSnippets.swift

Objective-C

- (NSString *)uniqueAdSourceNameForAdNetworkResponseInfo:
    (GADAdNetworkResponseInfo *)loadedAdNetworkResponseInfo {
  NSString *adSourceName = loadedAdNetworkResponseInfo.adSourceName;
  if ([adSourceName isEqualToString:@"Custom Event"]) {
    if ([loadedAdNetworkResponseInfo.adNetworkClassName isEqualToString:@"SampleCustomEvent"]) {
      adSourceName = @"Sample Ad Network (Custom Event)";
    }
  }
  return adSourceName;
}
ResponseInfoSnippets.m

広告枠を落札した広告ソースについてさらに詳しい情報が必要な場合は、広告レスポンスに関する情報を取得するをご覧ください。

実装に関するベスト プラクティス

  • ハンドラの設定は、広告を表示するよりも前に行う必要があります。有料イベント コールバックを逃すことがないよう、広告オブジェクトを作成したら、あるいは広告オブジェクトへのアクセス権を得たら、すぐに済ませましょう。
  • paidEventHandler メソッドが呼び出されたらすぐに、ご希望の分析サーバーに有料イベント情報を送信します。誤ってコールバックを逃すことを防ぎ、データ不一致の発生を回避できます。

GADAdValue

GADAdValue は、広告で得られた金銭的価値を表すクラスで、その金銭的価値の通貨コードと、以下に示すエンコードされた精度タイプが含まれます。

GADAdValuePrecision 説明
GADAdValuePrecisionUnknown 広告の価値が不明。LTV Pingback が有効になっていても、十分なデータが十分にない場合に返されます。
GADAdValuePrecisionEstimated 集計データから推定された広告の価値。
GADAdValuePrecisionPublisherProvided パブリッシャーが指定した広告の価値（メディエーション グループ内の手動 CPM など）。
GADAdValuePrecisionPrecise 広告に支払われた正確な金額。

Open Bidding からのテスト インプレッション

テスト リクエストを通じて Open Bidding の広告ソースでインプレッション単位の広告収益イベントが発生すると、次の値のみが返されます。

  • GADAdValuePrecisionUnknown: 精度タイプを示します。
  • 0: 広告の価値を示します。

以前は、精度タイプが GADAdValuePrecisionUnknown 以外の値として表示され、広告の値が 0 より大きい値として表示されることがありました。

テスト広告リクエストの送信について詳しくは、テストデバイスを有効にするをご覧ください。