2018 年 2 月 6 日(火曜日)
新しい Search Console のベータ版が、いよいよ本格稼働します。Google ではこれまで、皆様からのさまざまなフィードバックに耳を傾け、ユーザーの声をデザインに反映するための新たな方法を模索してきました。今回の新しいリリースでは、当初はユーザーの主な目標をサポートする機能の構築に注力してきましたが、今後数か月は機能の拡張を進めていく予定です。UI にマテリアル デザインを採用するなど長らく期待されてきた変更点もある一方で、多くの機能は、Search Console ユーザーである皆様に継続的にご協力いただいた結果、実現したものです。
ユーザーのご意見を伺うにあたっては、主に次の 3 種類のコミュニケーション チャネルを利用してきました。
- ヘルプ フォーラムのトップレベル ユーザー - ヘルプ フォーラムのトップレベル ユーザーの方々には、フォーラムに投稿されたトピックを提起するという重要な役割を担っていただいています。トップレベル ユーザーは、Google の検索チームと定期的にコミュニケーションをとり、Search Console ユーザーの大規模なコミュニティを支える存在です。
- 公開フィードバック - 従来の Search Console についての公開フィードバック コメントを分析し、ご要望が特に多かったリクエストを特定しました。公開フィードバックは、Search Console の [フィードバックを送信] ボタンをクリックして送信できます。このフィードバックにより、昨年最も多く寄せられたリクエストの一つである「検索アナリティクス(掲載結果)レポートで 90 日を超える期間のデータを見たい」というリクエストについて、より詳細な状況を把握できました。前年の同時期との比較が必要だということがわかったため、16 か月分のデータを利用できるようにしましたが、その決断が正しかったことを確信しています。
- Search Console パネル - 昨年新たに構成されたコミュニケーション チャネルです。あらゆる規模のウェブサイトを代表する Search Console ユーザーを無作為に 400 人選び、1 つのグループとしてご協力いただいています。このパネルのメンバーは、新しいコンセプトの検証からインタビューやユーザビリティ テストに至るまで、ほぼすべてのデザインの試行錯誤の過程に参加してきました。Search Console パネルメンバーの皆様には、仮定の条件をテストしてデザインを改良することにつながる有益なフィードバックを提供していただいています。
こうした取り組みの一環として行ったのが、パフォーマンス レポートについて新しく提案されたデザインのテストです。具体的な目的は、「比較」機能と「フィルタ」機能の使用方法がわかりやすいかどうかを確認することでした。できるだけリアルに感じられるテストにするため、実際のデータに接続した本物に近いプロトタイプを使用しました。このプロトタイプでは、本番用コードが 1 行も記述されていない状態でも、テスト参加者がユーザー インターフェースを操作できるようにしました。
このテストでは、「比較」機能が見落とされることが多いことがわかりました。そこで、[新しく追加] チップをクリックすると開く統合ダイアログ ボックスに「フィルタ」と「比較」が表示されるデザインに変更しました。このデザインに加えて他のデザインについても、ユーザビリティや利便性を最適化できるよう引き続きテストを行いました。
ユーザーからのフィードバックは、実際のデザインの細部だけでなく、構成に関する判断にも取り入れています。たとえば、ユーザーのフィードバックを基に、Search Console の中心となる情報アーキテクチャを大きく変更した結果、新しい Search Console 内の移動やプロダクトの構成も大きく変わりました。エラーに関するレポートとインデックス登録の対象範囲に関するレポートは当初は別々であったため、同じエラーが複数検出されてしまいました。これらのレポートを 1 つにまとめて包括的に把握できるようにしたのも、ユーザーのフィードバックを受けた結果です。
公開日が近づくにつれて、さらに大規模なテストをいくつか実施しました。30,000 人のユーザーを対象に、新しい Search Console の一部のレポートと既存のレポートを比較する A/B テストを行いました。問題の修正率を記録して、新しい Search Console の方が良好な結果をもたらすことを確認し、テストについて調べるためフォローアップのアンケートを送信しました。この最新のフィードバックから、エクスポート機能が、単にあると便利というよりむしろ多くのユーザーにとって欠かせない機能であることがわかりました。また、最初のリリースで詳細なヘルプページを用意するという点でも、フィードバックが役立ちました。
新しい Search Console は、現在すべてのサイトでご利用いただけるようになっています。Google では、Search Console のフィードバック ボタンやユーザーパネルなどの手段を通じてご協力いただきながらデザインを進めることを重視しています。最良のプロダクトを作ることができるのは、ユーザーの皆様のおかげです。
新しい Search Console は、まだ完成したわけではありません。次回の改善の際に導入を希望される機能がございましたら、Twitter でお知らせください。