2025 年 7 月 24 日(木曜日)
このたび Google トレンド API がリリースされたことをお知らせいたします。Google トレンドには長い歴史がありますが、トレンドデータへの主なアクセス方法はウェブサイトでした。ここ数年、利用が増加し、これまで提供されていなかった API のリリースを求める声を多数お寄せいただきました。

トレンドデータにはトレンドのウェブサイトからアクセスできますが、この API を使うと、新しいスケーラブルな方法によって組織内でトレンドデータを使用できます。初期の UX リサーチに基づき、Google に寄せられたユースケースをいくつかご紹介します。
- 研究: デベロッパーは、公的資源の配分や科学研究の優先順位に影響を与えることができます。
- パブリッシャー: データを使ってトピックを追跡し、新たなトレンドを発掘して、そのデータをもとに重要な問題に関する説得力のあるストーリーを発信できます。
- ビジネス: マーケティング担当者や SEO 担当者は、リソース投資の優先順位を決め、ビジネスのコンテンツ戦略を適切に策定できます。
利用可能なデータ
Google トレンド API を使うと、一貫してスケーリングされた検索インタレスト データを取得できます。日ごと、週ごと、月ごと、年ごとの集計など、1,800 日分(5 年分)のデータを遡ることができ、地域や区域による絞り込みも可能です。 ここですべてを説明するのは難しいので、以下のセクションでこの API の各特性について詳しくご説明します。
一貫してスケーリングされたデータ
トレンドのウェブサイトでは、データをリクエストするたびに結果が 0~100 にスケーリングされます。Google トレンド API では、すべてのリクエストで一貫した異なるスケーリング方法が使用されるため、複数のリクエストのデータを結合、比較、統合することが可能です。 なお、この API は、一貫してスケーリングされたデータを返しますが、その数値は絶対数ではなく検索インタレストを示しています。
このアプローチの利点は、デベロッパーがさまざまなリクエストの検索インタレストを比較できることです。 たとえば、特定のキーワードの推移を確認する場合、この API を使うと、直近の期間のデータだけを取得できます。一方、トレンドのウェブサイトでは、リクエストのたびにデータが 0~100 にスケーリングされるため、毎回全期間のデータを取得する必要があります。また、トレンドのウェブサイトでは 5 個のキーワードしか比較できませんが、この API では一貫してスケーリングされたデータを使えるため、数十個のキーワードを簡単に比較できます。
期間と集計
Google の分析によると、ほとんどの方の分析情報の保存期間は 5 年以内となっています。そのため、Google トレンド API では、過去 1,800 日間(最大 5 年間)のデータにアクセスできるようにしました。トレンドでは過去 12 か月間のデータが使用されることが多いですが、研究者やジャーナリストがこれまでの選挙(通常 4 年ごと)やスポーツ イベント(オリンピック、ワールドカップなど)のような重要な出来事を振り返るには、過去 5 年間のデータにアクセスできることが重要であると Google は考えています。なお、最新のデータについては 2 日前までのデータが含まれます。
データの集計においては、日ごと、週ごと、月ごと、年ごとの集計が可能です。ユースケースは多岐にわたり、デベロッパーが他のレポートとデータを統合する可能性もあるため、4 つのオプションを用意して柔軟性を高め、デベロッパーがトレンドデータを取得して操作し、独自のシステムと統合できるようにしています。
地域データ
Google トレンド API では、ISO 3166-2 標準で定義されている地域や区域ごとの内訳を取得できます。
アルファ版テスト
Google は、使用状況を把握して最終版を改良するためのプロダクト テストを開始する予定です。そのため、本番環境の準備が整っていない可能性のあるツールを繰り返しテストしていただけるデベロッパーの方からのフィードバックが必要です。そのような方がいらっしゃいましたら、Google トレンド API アルファ版の早期アクセスにぜひご応募ください。
Google は今後数週間にわたって、一部のデベロッパーの方を対象にこの API へのアクセスを順次開放していく予定です。初回の対象者にならなかった場合も、今後数か月かけてアクセスを拡大していく予定ですのでご安心ください。
Posted by Daniel Waisberg and Hadas Jacobi, Google Trends team