ウェブサイトの高速化処理を自動的に - Apache 向けモジュール mod_pagespeed を試してみよう!

2011年1月27日木曜日

一昨年、Google はウェブをより高速にする取り組みの一環として Page Speed を発表しました。Page Speed を使うことによって、開発者はウェブページの高速化に関するヒントを得ることができます。通常、開発者やウェブマスターにとって、これらのヒントを基にウェブサーバーの設定や HTML、JavaScript、CSS、画像を変更することは容易なことでしょう。しかし、理想的にはこのような最適化は最小限の労力で行われるべきであり、Google はこの作業をより簡単にできると考えていました。

そこで本日は、ウェブサイトの速度最適化を自動化するための Apache HTTP Server 用モジュール mod_pagespeed をご紹介します。このモジュールを使うことで 15 種類を超える最適化が自動的に行われ、さまざまな面からウェブサイトの性能向上を図ることができます。具体的には、キャッシュの最適化や、クライアント/サーバー間における往復遅延時間(Round Trip Time)の最小化、転送データサイズの最小化などが含まれます。Google のテストでは、mod_pagespeed によってページの読み込み時間が最大で 50%(対象となったテストサイトの平均値の中で)短縮できることを確認しました。つまり、ウェブサイトのスピードが実質的に約 2 倍、場合によってはそれ以上になるということです。

以下のビデオで、mod_pagespeed の導入により Google Adsense Blog の読み込み速度が改善していることを確認できます。


Google Adsense Blog で mod_pagespeed を有効/無効にした場合の比較

実際に mod_pagespeed によって簡略化できる作業には次のようなものがあります。
  • コンテンツ管理システム(CMS)自体に変更を加えることなく、CMS によって生成されたページを編集する。例えば、HTML コンテンツからのコメントの削除、ホワイトスペースの削除。
  • HTML の変更に伴い、画像の容量を自動的に調整し、再圧縮する。
  • 画像やロゴをいつでも更新できる状態にしつつ、キャッシュの期限を 1 年間に延長する。
海外の事例ですが、現在 Google はホスティング会社である Go Daddy と協力し、同社の 850 万人の顧客向けに mod_pagespeed による最適化を実施しています。Go Daddy の社長兼 COO である Warren Adelman 氏は、次のように述べています。

「Go Daddy は常に、お客様に最良のユーザーエクスペリエンスを提供する方法を探しています。そのような理由から Google と協力して『ウェブ高速化』への取り組みを開始しました。Go Daddy のエンジニアによるテストでは、mod_pagespeed と他のテクノロジーを利用することで、お客様のウェブサイトの読み込み時間が大幅に短縮されていることがわかりました。 このテクノロジーをいち早く Go Daddy のお客様に提供したいと考えています。なぜなら、それはお客様のためだけでなく、そのウェブサイトを訪問する人にとっても有益であるからです。」

また、Google は Cotendo とも協力し、mod_pagespeed のコアエンジンを同社のコンテンツ配信ネットワーク(CDN)へ組み込むことにも取り組んでいます。

mod_pagespeed は Apache HTTP Server のモジュールとして統合されますが、オープンソースとして既にリリースされており、多くの Linux ディストリビューションにおける Apache 上で利用できます。ぜひ、お使いのプラットフォームに対応する mod_pagespeed をダウンロードして、ご感想をプロジェクトの メーリングリスト(英語) でお知らせください。Google は、ホスティング、開発者、ウェブマスターのコミュニティと協力して、mod_pagespeed の改良とウェブの高速化をさらに進めていきたいと考えています。